時、一九九一年。九月の午後。
場所、ニューヨーク州ブルックリンのブルースター家の居間。
1920年代、祖父によって建てられたブルースターの家はヴィクトリア調の作りで広い地下室のある大きな家である。 現在は三女マーサと長男テディの二人で住みながら、近隣の家のない人たちが安く借りられる物件として、部屋の貸し出しも行っている。
薬屋で変人と名高かった先先代のブルースターだが、孫娘マーサは慈悲深く、街の評判も高い。
だが実は、下宿人たちに毒入りのワインを飲ませ永遠に眠らせるという秘かな仕事に精をだしていた。
新米警官のオハラは、そうとは知らずマーサ目当てに頻繁にこの家に巡回に来ている。
次女のモーゼルは新聞記者で劇評の担当をしていて、今は一時的にブルックリンに帰ってきている。近くに住むハーパー牧師の息子、エリスとは婚約したばかり。
幸せでいっぱいの中、ひょんなことからマーサの秘密を知るモーゼル。
そこへ行方不明だった長女ジョアンが帰ってくる...。
マーサ・ブルースター | 三女。23歳。家の管理と貸し出しをしている。 |
モーゼル・ブルースター | 次女。26歳。劇評家。 |
エリス・ハーパー | 牧師見習い。モーゼルの恋人。25歳。 |
テディ・ブルースター | 長男。25歳。 |
ジョアン・ブルースター | 長女。28歳。医学部を退学した無免許医師。指名手配中。 |
オハラ巡査 | 23歳。ブルースター家を巡回する新米警官。 |
ウィザースプーン | ハッピーデイル療養所の所長。 |